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松新さんとワカメ鎌に柄をつける

沖光製の新しいワカメ鎌に、松新さんの御指導をいただいて、柄をつけました。[2012.5.4.]
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「柄にする竹はどこのがいいですかね?」と尋ねるわたしたちに、「これ」と、ちょうどいいのが2本。「あなたたちが必要になると思って用意しとった」と。ううう、恐れ入ります。この竹は隣の海士町(中の島)のものだそうです。「細く、節の間隔が広く、ちょうどいい。日頃から何かのために採って乾かしてある」のだそうです。

松新さんとワカメ鎌に柄をつける_a0122123_9563941.jpgまず竹の節を鉈で削ります。同時に虫食いがないか調べます。鉈は竹用の鉈と、隠岐鉈の両方を使います。写真の隠岐鉈は「菊光」の印があります。西ノ島に昔あった鍛冶屋さんです。これは松新さんのお父さんの道具です。

松新さんとワカメ鎌に柄をつける_a0122123_1024386.jpg次に竹の反りを正します。炭火であぶりながら少しずつすすめます。これで竹の準備は完了です。

松新さんとワカメ鎌に柄をつける_a0122123_10263286.jpg今回は鎌にも一細工します。沖光さんは「わかめ鎌にも2種類あって、これはわかめ専用の細いのだから、竹に刺すだけで簡単に柄がつきます」とおっしゃいました。しかし、ここからは松新流です。万が一抜け落ちるといけないので根本を曲げて”掛かり”をつけました。鉄の加工は田島の得意分野です。

松新さんとワカメ鎌に柄をつける_a0122123_10302399.jpg竹に穴をあけ、掛かりの部分をはめ込み、化繊の紐で縛ります。紐の終わりは、ほつれないよう炙って溶かしておきます。

松新さんとワカメ鎌に柄をつける_a0122123_10314623.jpg新しいワカメ鎌の完成です。以前のものよりも少し長めです。

# by satetuno | 2012-05-25 10:39 | 人と道具  

宮地さんの道具

西ノ島でもう一軒、船越で岩ガキ養殖をされている宮地さんを訪ねました。[2012.5.4.]

宮地さんの道具_a0122123_9562422.jpgこの時期は育った岩ガキを水揚げするシーズンで、先日の中上さん同様、一塊になっている岩ガキを一個ずつに割り分け、表面の付着物を磨く作業をしておられました。

以前、宮地さんは土木関係のお仕事をされていそうで、使う道具もビル等の現場で見かけるエアー工具です。コンプレサーの空気圧で打撃を与え、コンクリートや表面のタイル、塗装等をハツリとる道具だそうです。宮地さんには手慣れた道具で、岩ガキの取り分けで割れや傷を付けてしまうロスが2%、98%は綺麗にとれるとおっしゃっています。宮地さんの道具_a0122123_1091996.jpg
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宮地さんは「この方法がもっと広まればいいと思っています」と、本当に気さくにお話し下さいました。ありがとうございました。

# by satetuno | 2012-05-22 10:25 | 人と道具  

岩ガキの「なかがみ養殖場」を訪ねる

2012.5.3.
西ノ島の珍崎(ちんざき)という集落にある「なかがみ養殖場」の中上光さんを訪ねました。岩牡蠣の出荷作業で「鉈(ナタ)」を使われると聞きいたからです。
中上さんは日本で初めて岩牡蠣の人工種苗による養殖をされた方だそうです。

この頃の私達は沖光さんとおつき合いする中で、道具だけでなく、それを日常的に使っている方々に、より惹かれ始めているようです。そこで沖光製にこだわることなく、
「島でどんな方が、どんな道具を使っておられるのか」ちょっと訪ねまわっています。

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まず目についた「鉈(ナタ)」
隠岐鉈ではありません。これは軽トラックの板バネから手作りのものだそうです。鉈の峰をゴム槌などでたたくと、普通の鉈では潰れてしまうが、これだと潰れないそうです。地金が付いてないからかな。あと重さや重心も使う人よって工夫されていました。すばらしい。

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こんな道具もありました。鉈というか包丁と呼ぶべきか。
岩ガキの「なかがみ養殖場」を訪ねる_a0122123_18423150.jpgこれらはどれも海中からあげた岩ガキの塊を、1つずつに分解していく道具ただそうです。


岩ガキの「なかがみ養殖場」を訪ねる_a0122123_18462982.jpgこちらは一個ずつに分けた岩ガキを磨く道具。研磨機ですがワイヤーブラシの親分みたいなのは、貝専用のものだそうです。

岩ガキの「なかがみ養殖場」を訪ねる_a0122123_18564640.jpgあとは持ち帰って食べる行程です!貝開きの道具で貝柱を切り、殻をとります。これは各ご家庭で使いやすいものを使っておられます。
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焼火の宮司さん宅では、「果物ナイフが一番!」とのこと。
また波止の松新さん宅では「カキ用はこれ!」と専用の道具が。さすが。やはり道具は使ってこそ生きますね。それぞれのこだわりが面白いです。

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この日、当然のように島のみなさんと岩牡蠣パーティーになりました。

# by satetuno | 2012-05-09 19:23 | 人と道具  

使われている鍛冶製品

作品の移設とともに、今年2012年は「沖光さんの道具が、現役で使われている所を見せて頂いたり、自分たちで使ったりしたい」と、思っています。
そんな気持ちをもちつつ、3月の末、またまた沖光さんに会いにいきました。
「次は、どんな事を考えておいでかな〜っと、楽しみにしておりました。」
と、全く心中をお見通しのご様子でした。さすがと言う他ありません。
お会いすると、何時ものように会話が尽きる事はありません。

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先日書いた「わかめ鎌」=「めのは鎌」のお話もしました。
沖光さんは、「どちらも普通に使っている言葉です」と言われました。
「年配の方と話す時は『メノハ』、若い方と話していると『ワカメ』と自然となっています」どちらも生きている呼び名のようです。僕らは「ワカメ」派だったのですね。

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ほんとうに居心地のよい時間が続き、昼食まで御一緒させて頂きました。

そしてこの日は、いくつか欲しい道具の中からまず、
隠岐鉈(おきなた)、わかめ鎌、鉈鎌(なたがま)、の3点を入手しました。
この道具たち、出番はそう遠くないと思います。

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# by satetuno | 2012-04-08 21:24 | 沖光鉄製品  

美田小学校から波止分校へ

元・美田小学校に展示していた最終章の立体造型を、3月末に一度解体し、教室から運び出しました。

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行き先は、元・美田小学校波止(はし)分校。閉校になるずっと前、昭和47年閉鎖とあります。建物は、本校から南へ向かい、ひっそりとした小さな波止集落の山側、一番上に佇んでいます。

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これからの物語の続きをふくめて、そこで再構成していきます。
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今回も、丹野志摩さん、松田航さん、松浦道仁さんにお手伝いいただきました。
いつもいつも、ありがとうございます。

写真はこちら>Facebookページにもアップしています。

# by satetuno | 2012-04-05 23:51 | 砂鉄の物語・続編